経営戦略とマーケティングの違いを理解しておこう!
なんで肖像画家なのに、経営戦略やらマーケティングの記事を書くの?
そう疑問に思う方もいらっしゃるでしょうが、この問題は画家・肖像画家だから絵だけを描いていればいいんだ、絵や肖像画だけ上手ければ関係ない問題ではないのです。特に肖像画を描く肖像画家は!
ちなみに貴方が肖像画を注文する時は貴方の顔が描かれた肖像画だったら何十万円も払って肖像画家に注文すると思いますが、知らない他人の顔の肖像画に何十万円も払って買いますか?あり得ないですよね!
絵が上手いだけで売れてる?それならば、それはギャラリーが集客や営業を画家の為にやってくれてるのです!
これは肖像画家だけの話ではなくて、料理人だろうが建築職人だろうが士業の先生だろうが同じことで、
本業スキル✖️集客スキル✖️営業スキル
の複合力がないと現実は仕事の受注が取れないのです。
なので、
まずは、貴方が本業スキルを装着している前提で
集客スキルを身につける基礎的な記事を書きます。
ビジネスに熱心な経営者の方なら、「経営戦略」という言葉を耳にされたことがあるでしょう。
また、経営に関する教養を深めるために学んでおられるときに「マーケティング」という言葉が一緒に出てきたこともあると思います。
これら2つの言葉は、一緒に出てくることが多いため同じことだと考えておられる人もいるようです。
でも、ほんとうは違うんです。そこで今回は、一緒だと思ってしまいがちな「経営戦略」と「マーケティング」についてお伝えしていきます。
目次
1: 経営戦略とマーケティングは似ている
まずはそれぞれの意味を見ていきましょう。
(1)経営戦略とは
自分の会社が安定継続して利益を得る方法を考えること。
そして、利益を得るために4つのリソース
- 情報
- 人
- モノ
- お金
をどのように配分し、滞りなく企業活動を行うことと言えます。
(2)マーケティングとは
経営学で有名なピーター・ドラッカー氏曰く
『マーケティングとは、販売を不要にするものである。』
別の言い方をするなら、放っておいても自動的に買いたくなる状態を作ること。
そのために必要なターゲットを見つけ、ニーズを掘り起こし、適切な商品やサービスを伝えることだと言えるでしょう。
ここで大切なのは次の3つです。
- ターゲットを見つける
すべての人に喜んでもらえるのが理想ですが、現実にはそんなことは起こりません。
私たちが提供している商品やサービスには、必ず求めている人と、そうでない人がいるものです。
ですからマーケティングでは「求めている人」を見つける必要があります。
そうでないと興味を持ってもらうことができませんし、買いたくなってもらうこともできません。
- ニーズを掘り起こす
ターゲットには必ず「求める」理由があります。これがニーズと呼べるでしょう。
そしてニーズを見つけるためには、年齢、性別、収入などが影響してきますし、価値観やライフスタイルも影響すると考えるのが自然です。
- 伝える
ターゲットを見つけ、ニーズを掘り起こしても「求めている人」へタイミング良くメッセージが伝わらないと、興味をもってもらえません。
また「求めている人」が使っていない媒体によってメッセージを伝えたとしても、結局はメッセージが届いていないことになり、この場合も興味を持ってもらうことができません。
このように「経営戦略」と「マーケティング」は似ているのですが、見ている方向が少し違うのです。
経営戦略は、自社の経済活動に着目しています。
マーケティングは、販売を不要にする仕組みを作ることに着目しています。
ということは、マーケティングとは経営戦略の内側に存在すると考えるのが自然なのです。
2: 経営戦略とは3つの戦略で出来ている
それでは、もっとも大きな部分である経営戦略について見ていきましょう。
経営戦略は次の3つで出てきています。
それぞれの特徴を見ておきます。
2.1: 全社戦略
主に経営層が決定します。
そのため全社戦略には「企業が向かう方向性」を含むことが重要になってきます。
細かな実行手順や活動手順ではなく、会社としてのミッションやビジョンを明らかにするというのがわかりやすいのではないでしょうか。
2.2: 事業戦略
事業単位で向かう方向性と進め方を明確にします。
事業としてのミッションやビジョンを明らかにしつつ、全社戦略との整合性も忘れてはいけません。
大手企業の場合ですと、この中に「マーケティング部」があります。
2.3: 機能戦略
事業を実際にどのように進めるのかを明確にします。
具体的な行動や活動を明らかにします。
そして多くの場合、この中に「マーケティング」が含まれています。
3: 3つの戦略の役割とは
それでは3つの戦略の役割を見ていきましょう。
3.1: 全社戦略の役割
自分の会社(全体)で取り組むべきことを決定します。
そのため特徴でもお話しましたが、経営層に決定権があります。
全社戦略をイメージするときわかりやすいのは、パナソニックです。
パナソニックは、家電事業もあればカメラ事業もあります。
スマートフォン事業もあれば、住宅関係の事業もあります。
これらの事業をまとめ、パナソニックとしてどのようなイメージを発信するのか、企業の価値を伝えるのか、社会貢献を伝えるのかを全社戦略として明確にするのです。
全社戦略が明確になることで、様々な事業の戦略を考えることができます。
3.2: 事業戦略の役割
各事業単位で、どのような方向性で経済活動を行うのかを明確にします。
そして、事業単位になることで明確な競合が出現し、市場での戦い方を考えなくてはいけなくなります。
例えば先ほどの例でいうと「カメラ事業」なら、
- 価格で対抗
- 機能で対抗
- ターゲットで対抗
というように、差別化するべき部分を洗い出し、競合よりも有利に立てる部分を見つける必要が出てきます。
自社にとって差別化するポイントが出てくると、事業の戦略立案を行う役割もあります。戦略立案の中では、
- 新たな顧客発掘
- コストパフォーマンス
- サービスの向上
などをPDCAサイクルで回しながら分析できる方法を考えることも必要です。
3.3: 機能戦略の役割
機能戦略とは、事業部の中にある部門単位で、どのような活動をするのか決めていきます。
全社戦略や事業戦略と整合性をあわせた上で、より具体的な行動や施策を考える役割です。
例えば
- 営業上の戦略
- 人材に関する戦略(人事戦略)
- 商品やサービスの開発戦略
そして、最初に出てきました「マーケティング」における活動は、機能戦略の一部として見ることができます。
4: まとめ
経営戦略とマーケティングは似ています。
マーケティングが経営戦略の一部になっているため、同一に考えてしまう方もいらっしゃいますが、これは仕方のないことかもしれません。
しかし、これからのビジネス環境の変化を考えると、外部の専門家と連携したり、フリーランスや副業の方と一緒に仕事をしたりする機会も増えていくはず。
そうなると、経営者である私たちは、経営戦略とマーケティングの違いを理解し、適切な人材をどの戦略へ投入するのか。どの人材を現場に近いマーケティングへ投入するのかという判断をしなくてはなりません。
いまのうちから違いを理解しておきたいものですね。