サービス&料金
野原 真輝が描く肖像画
このサイトをご覧くださっている方の中には、「初めて肖像画に興味を持った」という方もいらっしゃると思います。
そこで、まずは簡単に、肖像画という絵画の一般的な特徴と野原真輝が描く肖像画について、ご紹介いたします。
肖像画の特徴1:暗黙のルール
自由な表現が許される芸術の世界において、肖像画にだけは絶対に守らなければいけない一つの制限があります。
それは、「モデルを描く」ということ。・・・と言っても当たり前すぎて、ピンときませんよね。
シンプルに言えば、モデル本人と作品が同一人物であると認識されなければいけない、ということです。
たとえば、そっくりな双子の顔を想像してみてください。
ご家族はさておき、他人が初めて会ったときには、この2人を見分けるのはなかな難しいですよね。
しかし、何度か会っていれば、そのうちそれぞれを見分けることができるようになります。もちろん、顔以外のふるまいや服装、声などに頼る場合もあるでしょうが、こうした情報がなくても顔だけで違いがわかるようになるのです。
これは、一般的に私たちの脳が、どんなに似ている顔でも、ほんの数ミリの違いから“違う人”と認識できるようになっているからです。
また美容整形などで、ほんの数ミリ、目の大きさを変えたり鼻を高くするだけで、印象が大きく変わるという事例はたくさんありますよね。
つまり、それだけ人の顔のバランスというのはとても緻密で繊細であるということ。
ですから、肖像画の特徴であり、難しさとも言えるのが、「人の顔を写実的に捉え、本人だと認識される範囲内で芸術的な表現を行う」ことです。
どんなに素晴らしいアート作品に仕上げても、別人を描いてしまっては肖像画とは言えなくなってしまうのです。
肖像画の特徴2:美しく見える距離感
肖像画に限らず、絵画全般にも言えることですが、掲額したときに美しく見えるように計算して仕上げるというのも一つの特徴です。
これは、モザイク写真をイメージしていただけるとわかりやすいかもしれません。
この写真は遠目から見れば、左図のようなモナ・リザに見えます。しかし、視点をどんどん近づけていくと、実はたくさんの写真が集まっていることがわかります。
このように、どの位置からその絵を見るかによって、作品の見え方は大きく変わってしまうのです。
これを肖像画に反映させると、線の太さや陰影のつけ方、背景などに違いが生じます。
たとえば、美術館で映えるように計算されて描かれた肖像画を手元に置いて見ると、影の表現として意外と太くて濃い線が入っていたり、肌の色にかなりムラがあるように感じられるでしょう。
しかし、実際に数メートル離れた距離から見ると、小さな絵でも、しっかりした立体感とダイナミックな印象を感じられるように描き上げられているのです。
肖像画の特徴3:ふさわしいモデルとポーズ
名画と言われる絵画で、人物がニンマリ笑っていたり、ピースサインをしている絵画はありません。
肖像画も同じく、絵画として、モデルとなる人物は真顔、横顔、あるいは眠っているなど、素の自然な表情で描かれるという特徴があります。
これは、そもそも絵画全般が、”画家が描きたいと感じたものを描くもの”という前提があるからかもしれません。
よく、素敵なシーンや人物を「絵になる風景」「絵になる人」などと形容することがありますよね。
この言葉に表現されるように、絵画とは、基本的にその対象物が望むかどうかではなく、客観的に描きたいと感じられ、描かれるものと言えるのです。
一方、ポートレート写真や似顔絵イラストなどは、モデルご自身が「撮られること」「描かれること」を自覚している状態で成立する作品です。
ですから、弾けるようなカメラ目線の笑顔やピースのポーズをとっていてもまったく違和感がないのです。
誤解を恐れずに言うなら、「肖像画のモデルは誰にも媚びない」状態で描かれる、とも言えるでしょう。
だからこそ、肖像画という1枚の絵画は、格式高く、凛とした品性があるものに感じられるのかもしれません。
野原真輝の肖像画
写真から表情を再現
これは多くの肖像画家と同じ手法ですが、野原真輝もモデルとなる方の写真を元に制作を行います。ですから、ご提供いただく写真の精度は非常に重要です。一般的には、
- 解像度が高く鮮明で良いアングルの1枚の写真
- 様々な角度のモデルを確認できる複数枚の写真
上記のどちらかをご用意いただくことが多いでしょう。
私の場合は制作の一環として、取材やヒアリング等で直接ご本人に会うこともあるため、平面の情報だけでなく、立体的な印象も絵画に反映させることができます。また、適切な写真がない場合は、私のほうで撮影させていただくこともあります。
これらの情報をしっかり押さえておくことで、肖像画の大原則である「モデル本人を描く」という基本をより忠実に行うことができるのです。
人生のストーリーがスパイス
野原真輝ならではのサービスが、肖像画を描く前に、モデルについて取材・ヒアリングを行うということです。
実際にお会いすることが多いのですが、遠方の場合はお電話などでお話をうかがうこともございます。質問させていただくのは、現在のお仕事や、これまでの経験、挫折や苦労、成功体験、夢などモデルの人生に関するお話。これらのストーリを作品のスパイスとして生かします。
取材やヒアリングで得られるのは、これだけではありません。たとえば、会話のスピードや声のトーン、話し方、実際にお会いできた場合は、所作や雰囲気、オーラなど。直接コミュニケーションをとることで、写真にはおさまりきらない情報がたくさん得られるのです。
もちろん、そのすべてを1枚の肖像画に詰め込むことは非常に難しいのですが、たった1枚の肖像画でどこまでモデルのことを表現できるか、というのが私の画家として挑戦でもあります。
計算された距離感
絵画が美しく見える距離感は大きく4つに分けられます。
- (1)1m以内:SNSや手元の冊子で見られる想定
- (2)2〜3m:一般家庭のリビングや会社の応接室などで見られる想定
- (3)5〜10m:美術館などに掲額される想定
- (4)15〜20m:教会などの壁画として見られる想定
野原真輝が描く肖像画は主に2と3の距離感のものです。あらかじめ展覧会などに出展する予定がある場合は3、それ以外はお客様の用途をうかがったうえで適切な距離感を判断します。そして、制作中は離れたところから何度も確認しながら、仕上がりを計算して描いております。
掲額場所に合わせた仕様
海外に出展した経験も多いので、掲額場所に合わせた仕様で仕上げることも得意です。
たとえば、国内の肖像画はシンプルな背景が主流となっていますが、海外の美術館に出展する場合は、思いっきり華やかな背景のほうが映えて好まれる傾向があります。
実際に展覧会に出展する際は、キャンバスサイズの指定や審査などもあるため、その評価基準を知り、それに合わせた仕様で仕上げなければいけません。こうした工夫は経験が豊富だからこそできることです。
また、展覧会に出さずとも、用途に合わせた表現やモデルから醸し出される雰囲気を背景に生かすなど、肖像画家の中では比較的、従来のルールに縛られない制作を行っているほうだと自負しています。
「せっかく肖像画を描いてもらうのに、証明写真のような背景になってしまうのは嫌だ」と感じる方なら、私の肖像画をより気に入っていただけると思います。
サービス&料金
サービスの詳細と料金表をご紹介いたします。
サービス
一般描写コース
- 写真を元に制作
- 簡易的なヒアリング
- 額なし
- プレートなし
- 送料別
- 修正保証制度あり
※東京都内、近郊にお住まいの場合、撮影にうかがうこともございます。
※東京都内、近郊にお住まいの場合、直接引き取りにきていただいてもかまいません。
細密描写コース
- 写真を元に制作
- モデルの方の半生や想いを取材
- 書籍化予定の作品集の対象
- 額付き
- 各シリーズのプレート(10,000円相当)付き
- 送料込み
- 修正保証制度あり
※東京都内、近郊にお住まいの場合、撮影にうかがうこともございます。
※東京都内、近郊にお住まいの場合、直接お渡しすることも可能です。
料金表
寸法 | 一般描写コース(税抜) | 細密描写コース(税抜) | |
F3 | 27.3cmx22.0cm | 29,800- | 60,000- |
F4 | 33.4cmx24.3cm | 50,000- | 100,000- |
F6 | 40.9cmx31.8cm | 60,000- | 120,000- |
F8 | 45.5cmx37.9cm | 80,000- | 160,000- |
F10 | 53.0cmx45.5cm | 100,000- | 200,000- |
F12 | 60.6cmx50.0cm | 120,000- | 240,000- |
F15 | 65.2cmx53.0cm | 150,000- | 300,000- |
F20 | 72.7cmx60.6cm | 200,000- | 400,000- |
F30 | 90.9cmx72.7cm | 300,000- | 600,000- |
F40 | 100.0cmx80.3cm | 400,000- | 800,000- |
F50 | 116.7cmx90.9cm | 500,000- | 1,000,000- |
F60 | 130.3cmx97.0cm | 600,000- | 1,200,000- |
F80 | 145.5cmx112.0cm | 800,000- | 1,600,000- |
F100 | 162.0cmx130.0cm | 1000,000- | 2,000,000- |
※ 上記は、1枚のキャンバスにモデル1名様の場合です。1枚のキャンバスに2名様以上となる場合は、追加人数ごとに30%ずつ割増させていただきます。
修正保証制度あり
基本的にはすべての肖像画に納品後6ヵ月間の修正保証もお付けしております。
私の技術不足により、お手元に届いた作品を気に入っていただけない場合は、ご納得いただけるまで修正を承ります。
お電話か問い合わせフォームよりあらかじめご連絡をいただき、具体的にどのような点がお気に召していないかをお知らせください。
絵画のご返送方法などは、ご連絡をいただいた際に、別途ご案内いたします。
お申し込み前にご確認ください
野原真輝は、肖像画家として誇りを持って、お客様からのご依頼を承っております。
1枚1枚、時間をかけて丁寧に、また心を込めて仕上げておりますので、大変恐れ入りますが、下記のようなお客様のお申し込みはお断りする場合がございます。あらかじめご了承ください。
必要な写真をご提供いただけない方
先にもご説明した通り、人の顔というのは数ミリの違いでまったくの別人になってしまう繊細なものです。ですから、描くにあたって適切な解像度、アングル、表情など、こちらが必要とする写真をご提供いただけない場合はご依頼をお断りすることがございます。
どうしても、というご希望があればお引き受けすることもありますが、曖昧な情報しかない場合、仕上がりは保証いたしかねます。
制作に非協力的な方
基本的には写真の情報を元に制作をいたしますが、良い作品づくりのためにはコミュニケーションも重要だと考えております。
モデルとなる方があまり乗り気ではなかったり、しょうがなく描かせている、という状態では、意思疎通がうまくできずにお互いのストレスになるだけでなく、仕上がりも絶対に良いものにはなりません。
このような場合は、こちらからお断りさせていただくこともございます。ご了承ください。
肩書きに詐称がある方
野原真輝は、描かせていただく肖像画をいくつかのシリーズにカテゴライズし、最終的には作品集として書籍化することを念頭に作品づくりを行っております。
とくに「日本社長列伝」などは、会社経営者、またはそれに準ずるオーナー、個人事業主などの“リーダー”をモデルとしているため、肩書きを詐称されている場合は、「日本社長列伝」シリーズとしての制作はお引き受けいたしかねます。
創造意欲が掻き立てられない方
野原真輝の肖像画は、モデルとなる人物の人生のストーリーを作品づくりに生かすという特徴があります。ですから、誰かれかまわず描いているわけではありません。
もちろん、すべての人がドラマチックな半生を送っているわけではないことはわかっています。しかし、様々なことに興味を持ち、考え、気づき、より良い毎日のために一生懸命生きている人からは、オーラのような雰囲気を感じられるのです。
これが、私の創造力の源となっています。
そのため、こうしたインスピレーションを感じられない方については、大変恐れ入りますが、私以外の肖像画家に制作をご依頼していただくことをおすすめさせていただきます。